懐かしのカセットテープMTR(マルチトラックレコーダー)です。カセットテープを使って4トラックのレコーディングができます。
電源OFF
電源ON
パソコンを使ったDTMの時代になる前はカセットテープのMTRが宅録の主流でした。
TEAC(ティアック)の音響機器ブランドTASCAM(タスカム)のカセットテープMTRとしては1979年にTASCAM 144、1982年にTASCAM 244という機種も発売されており、バンドや宅録で音楽を多重録音したい人に人気がありました。1985年発売の246はその後継機種でカセットMTRの完成形といっていいのではないかと思います。
時代背景としては一世を風靡したヤマハのデジタルシンセサイザーDX7の発売が1983年、初代Macintoshの発売が1984年です。
TASCAM 246は趣味でバンドや宅録をする人も使っていたと思いますが、作りが非常に堅牢で動作が安定しており、カセットテープを使うものの玩具っぽさは微塵もなく、ミュージシャンがデモを作る時など業務用途でも使われていたと思います。
1988年9月の「タスカム総合カタログvol.8」(モノクロのカタログ)より
TASCAM 246の向かいのページには、オープンリールタイプのMTR & MIXERであるSTUDIO8 388が掲載されています。
PORTASTUDIO TASCAM 246 ¥220,000
6CHANNEL MIXER & 4CHANNEL MULTITRACK RECORDER with dbx
STUDIO8 388 ¥650,000
8TRACK RECORDING SYSTEM
となっています。
カセットテープ区画
スピードセレクター
本機の録音・再生の基準速度は、通常のカセット・デッキの速度と同じ4.8cm/sec.(LOW)と2倍の9.5cm/sec.(HIGH)になっており、何度も録音を繰り返す多重録音の場合は、音質特性のよい(HIGH)にセットすることが推奨されています。他の標準速度のデッキとの互換性を必要とする場合には(LOW)にセットします。
9.5が4.8の2倍の数値になっていませんが、取扱説明書に記載されている数値です。
本機にはスピードセレクターとは別にピッチ・コントロールつまみもあり、テープの録音・再生の走行速度を無段階に±12%で変化させ、ピッチ(音の高低の度合い)を変えることができます。
TASCAM246で録音したカセットテープは、普通のラジカセなどでも再生できます。ただし、
又、
▶︎デジタルMTRについてはこちらの投稿をご覧ください。
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2021年 11月号 (特集:創刊40周年記念号) で、「温故知新」と題して「高野寛さん × TASCAM 246」や「浅倉大介さん × YAMAHA DX7II-FD & YAMAHA QX3」などの記事が掲載されています。