懐かしのハードウエアシンセサイザーKORG T3を紹介します。
オールインワンタイプのシンセサイザーの先駆けであり大ヒットした1988年発売のM1にフロッピーディスク・ドライブ、マスター・キーボード機能、音色を追加して1989年に発売されたT3は、M1の正統バージョンアップ版と言っていいのではないかと思います。M1同様、ミュージック・ワークステーションとなっています。
電源ON
シンセサイザーにおいてオールインワンとは一般的に、マルチティンバー、マルチトラックでシーケンサーやエフェクトも内蔵しているタイプのことを表現すると思います。
KORGはオールインワンタイプのM1を「ミュージック・ワークステーション」と称して販売しました。
マルチティンバーとは複数の音色を同時に発音できる仕様のことです。
マルチトラックとは、複数のトラックを持ち、例えばドラムス、ピアノ、ストリングスなど音色ごとにシーケンスデータ(演奏情報)を記録・再生できる仕様のことです。
T3はM1の正統バージョンアップ版であるため、M1のようなエポックメイキングさ、突出した個性があるわけではありませんが、バランスよく更新された安定感のある機種だと思います。
M1では鍵盤バリエーションは61鍵だけでしたが、Tシリーズは61鍵のこのT3のほか、76鍵のT2、88鍵のT1のバリエーションがあります。
エフェクトの効果が大きいと思いますが、M1譲りのコロコロした印象の音や適度に広がりと重さのある音が得意だと感じます。
私のT3はオプションのRAMを追加したT3 EXとなっています。
私が初めてシンセサイザーを買う時すでに、8トラックのシーケンサー内蔵でマルチティンバー 8トラック、マルチ・エフェクトを備えたシンセサイザー、コルグM1が「ミュージック・ワークステーション」として発売されていて、大きな話題になっていましたが、当時の私の耳は、M1のエフェクトもかかった音は大仰というか過剰に感じてついていけませんでした。
音としては、ざらついた音から重い印象の音までをカバーするROLANDのD-50を気に入っていたのですが、一台目としては、音は劣るもののマルチティンバーでシーケンサーやリズムマシン機能を内蔵したD-20の方がいいと思い、D-20を買いました。
▶︎D-20についてはこちらの投稿をご覧ください。
期待どおり、D-20は便利で楽しいシンセサイザーでしたが、しばらく使っていくうちにやはり、もっと違う、迫力のある音、重い音がほしくなり、改めて楽器店で様々なシンセサイザーの音を確認し、2台目のシンセサイザーとしてM1の後継であるT3にしました。
最初はD-20一台で行っていた音楽制作に、T3が加わり音色のバリエーションが増え、MIDI シーケンサー Q-80も購入して便利になっていきました。
その後パソコン導入後、MIDIや音色をパソコンからコントロールしようとしましたが、当時は色々と複雑で挫折し、一方自分の制作内容がパソコンを使ったビジュアル制作メインとなっていき、T3は使わなくなっていきましたが、その後も処分せず所有しています。
▶︎KAWAI デジタル MIDI シーケンサー Q-80についてはこちらの投稿をご覧ください。